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メンバー
教授 日本 典秀 Hinomoto, Norihide
教育研究活動データベース reserchmap ORCiD ResearchGate 助教 矢野 修一 Yano, Shuichi
教育研究活動データベース reserchmap 事務 中西 智子 Nakanishi, Tomoko
JSPS外国人特別研究員 Krimmer, Elena Ulla (2024年1月〜2025年12月)
JSPS外国人特別研究員 ANDRIANTO, Eko (2025年4月〜2027年3月)(2023年5月〜2024年3月 特定研究員)
研修員 OPADITH, Pattara (2024年11月〜2025年5月)
学生(2025年度) 博士課程 5名(うち、社会人2名、留学生1名) 修士課程 10名(うち、留学生1名) 学部4回生 3名 学生(2024年度) 博士課程 6名(うち、社会人3名、留学生1名) 修士課程 12名(うち、留学生1名) 学部4回生 3名 学生(2023年度) 博士課程 4名(うち、社会人2名、留学生1名) 修士課程 11名(うち、留学生1名) 学部4回生 5名 特別研究学生 1名(留学生) 学生(2022年度) 博士課程 4名(うち、社会人2名、留学生1名) 修士課程 8名(うち、留学生1名) 学部4回生 4名 学生(2021年度) 博士課程 2名 修士課程 4名(うち、留学生1名) 学部4回生 6名 学生(2020年度) 博士課程 3名(うち、社会人1名) 修士課程 5名 学部4回生 3名 学生(2019年度) 博士課程 2名(うち、社会人1名) 修士課程 5名 学部4回生 3名
主な発表論文
●修士課程以下の学生による成果 ●博士課程の学生による成果 ●出版社ページへのリンク 2025 ● Schausberger P, Usugi S, Wang C, Hinomoto N (2025) Mating frequency mediates personality expression in facultatively polyandrous mites. BMC Biol. 解説 この論文では、捕食性のカブリダニPhytoseiulus persimilisを用いて、複数回交尾が直接的・間接的な利益により雌の残存生殖価値(RRV)を増加させるという仮説を検証しました。その結果、複数回交尾した雌は1回交尾の雌よりも社会性が高いことがわかりました。これは、生殖価値を高めるために群集内での個体間衝突を緩和する戦略を反映していると考えられます。本研究は、動物のパーソナリティ研究において配偶者関連の変数を考慮することの重要性を示しています。 ● Wang C, Sekiguchi M, Hinomoto N (2025) Impact of temperature shifts on prey consumption and prey preference of the predatory mite Amblyseius andersoni (Acari: Phytoseiidae). Experimental and Applied Acarology 95:28. 解説 実際の圃場では複数の害虫種が共存することが多いです。ジェネラリスト天敵を用いてこれらを防除しようとしたとき、温度が異なるとどうなるかは知られていませんでした。そこで、ジェネラリスト捕食者であるアンダソニカブリダニ Amblyseius andersoni の、ナミハダニとミカンキイロアザミウマに対する選好性と捕食量を5段階の温度で調査しました。本種は基本的にナミハダニを選好しますが、気温が高いと選好性は弱まりました。また選好性は、2種害虫の相対比ではなく、ミカンキイロアザミウマの反捕食行動に起因していると推測されました。この研究は、複数の害虫を防除するためにジェネラリスト天敵を利用する際の温度条件の重要性を浮き彫りにしました。 ● Izumi Y, Yano S Can parasitized diamondback moth larvae avoid ant attacks? Ecological Entomology (in press) 解説 寄生蜂は、生きた寄主の体内外で成長しますが、その間に寄主が捕食されると、寄生蜂も同時に捕食されてしまいます。高い運動能力で捕食を回避する寄主に寄生した場合、寄生蜂が寄主の体内を食い荒らすことで運動能力が低下し、寄主ごと捕食されるリスクが高まると考えられます。コナガ Plutella xylostella の幼虫は、イモムシでありながら素早く飛び退いたり、葉縁からぶら下がったりといった曲芸的な捕食回避行動をとります。私たちは、寄生蜂コナガサムライコマユバチ Cotesia vestalis に寄生されたコナガ幼虫は、ジェネラリスト捕食者であるクロヤマアリ Formica japonica からの捕食を回避しにくくなっていると予想しました。 実験の結果、ぶら下がり能力は寄生の影響を受けていませんでしたが、飛び退き能力は寄生によって低下し、アリによる捕食を受けやすくなっていました。つまり、コナガサムライコマユバチは、クロヤマアリによるコナガの捕食を促進していると考えられます。コナガの死亡要因に関する従来の研究では、捕食された個体が寄生されていたかどうか、あるいは寄主ごと捕食されて寄生蜂の個体数が減るかどうかがが、しばしば考慮されてきませんでした。本研究は、これまでの研究が捕食の影響を過大に、寄生の影響を過小に評価していた可能性を指摘しました。 ● 泉 裕隆, 藤江隼平, 矢野修一 (2025) コナガサムライコマユバチ Cotesia vestalis (Haliday) の新寄主の記録とその生態学的意義. 昆蟲.ニューシリーズ 28:56–57. 2024 ● Ito K, Yano S (2024) Rapid evasive behaviors of diamondback moth larvae against ants. Annals of the Entomological Society of America 117:319–322. ● Saito C, Makita E, Yamane S, Urairi C, Hoshi T, Doi M, Yoshizaki S, Hinomoto N (2024) A new pest suction machine to control Bemisia tabaci (Hemiptera: Aleyrodidae) in tomato greenhouses. Journal of Economic Entomology 117:1616–1622. 2023 ● Tanaka M, Yase J, Kanto T, Osakabe M (2023) Combined nighttime ultraviolet B irradiation and phytoseiid mite application provide optimal control of the spider mite Tetranychus urticae on greenhouse strawberry plants. Pest Management Science
● 金藤 栞 (2023) 害虫のハダニはチョウやガの幼虫の足跡を避けるー夢のハダニ忌避剤開発へのヒントー. 農業 1707号. 30–36 ● Oide Y, Osakabe M (2023) Asymmetry in the reproductive interference between two closely related species of spider mites, Panonychus citri and Panonychus osmanthi (Prostigmata: Tetranychidae). Experimental and Applied Acarology 90:247–266 SharedIt link: https://rdcu.be/dhmBH ● Kinto S, Akino T, Yano S (2023) Spider mites avoid caterpillar traces to prevent intraguild predation. Scientific Reports 13:1841. ● Kinto S, Yano S (2023) Reconsidering the avoidance of spider mite Tetranychus urticae Koch webs by bush killer tendrils Cayratia japonica (Thunb.) Gagnep. Journal of the Acarological Society of Japan 32:13–18
学会発表
学生・ポスドク等による学会発表(2019〜)を掲載しています。 2025 日本動物行動学会 第44回大会(北海道函館市、11月22日〜24日) ポスター発表 金藤 栞・矢野 修一
大食漢芋虫恐るべし -小型ダニは芋虫の足跡を避ける-
(ポスター賞優秀賞受賞!) 第34回日本ダニ学会大会(東京都小金井市、9月26日〜28日) 口頭発表 寺本 優香(M1)・矢野 修一
カブリダニの幼虫は「いらんことしい」? 汪 辰昊(M2)・関口 実里・日本 典秀
温度がアンダソニカブリダニの選好性と捕食量に与える影響 宇杉 祥吾(M2)・豊島 真吾・日本 典秀
島根県で採集されたラデマッヘルカブリダニ個体群の捕食能力 加藤 祐毅(M2)・矢野 修一・日本 典秀
コウズケカブリダニの遺伝的マーカー開発と分散の解明(に向けて) 赤枝 黎(B4)・矢野 修一
三十六計逃げるに如かず 〜カンザワハダニはカブリダニの代替餌を避けるか〜 加藤 祐毅(M2)・関口 実里・日本 典秀
長距離輸送に耐えるチリカブリダニのバイタリティ 9th Meeting of the IOBC-WPRS Working Group “Integrated Control of Plant-Feeding Mites”(トルコ・イズミル、9月8日〜11日) Oral Presentation Wang Chenhao(M2), Sekiguchi Minori, Hinomoto Norihide
When it gets hot, who’s on the menu? Impact of temperature on prey preference in Amblyseius andersoni (Acari: Phytoseiidae)
(Best Oral Presentation 受賞!)
担当授業
農学部専門科目 1回生配当 資源生物科学概論B:日本(分担)(前期金曜1限) 2回生配当 生態学:日本(前期金曜5限) 生物先端科学:日本(分担)(前期水曜1限) 3回生配当 生態情報開発学 害虫管理学:日本(前期金曜3限) ※2021年度より授業名称変更 生態制御学:日本(後期金曜3限) 生物先端科学実験及び実験法I, II:日本、矢野(分担) 当分野は農学部では、資源生物科学科の 生物先端科学コース に配置されています。3回生からのコース分属では、 生物先端科学コース を選んでください!
大学院農学研究科修士課程科目 生態情報開発学特論:日本(奇数年集中講義) 生態制御学特論:日本(偶数年集中講義)
その他の風景
厳しい質問が飛び交う研究室セミナー「言われるまでもねえ」「黙れ小僧!」(実際の議論は紳士的に行われます) 太陽光中の紫外線がハダニに及ぼす影響を調べるため、炎天下の屋上で作業。 「ま、まさかあの恥ずかしい帽子を?」「今使わずにいつ使うのだ 行け!」 論文リジェクト「落ち込んだりもしたけれど私は元気です」 学会場にて「いい発表した後は、これ以上の発表は出来ないんじゃないかと怖くなったり・・・」 名物(迷物?)の3回生向け実習「さあ、楽しい生物学の時間デス」 宴会にて年長者の寒いジョークに脱力する一座「ごめんなさい。こういうときどんな顔をすればいいかわからないの」「笑えばいいと思うよ」
恒温室(2) 通称ハダニ部屋
恒温室(1)のカブリダニ類からハダニ類を隔離して飼育しています。植物育成用ライトでハダニの餌にするインゲンマメも育てています。 防御網の下に卵を産むカンザワハダニ雌成虫「あなたは死なないわ。私が守るもの」 共通の天敵に立ち向かうために協力するナミハダニ(緑色)とカンザワハダニ(赤色)「一人ぼっちは寂しいもんな‥。いいよ。一緒にいてやるよ」「もう何も怖くない。私、一人ぼっちじゃないもの!」 カンザワハダニ雌成虫(左)とその脱皮殻(右)。「そっちはさやかじゃなくてただの抜け殻なんだって」 ハダニを閉じ込めて飼育・観察するためのリーフディスク「実験!?」「外からの影響力が一切及ばない環境に閉じ込めた時何が起こるのか‥たしかに興味深い結果を観察させてもらったよ」 「キャー!何よ、あの天気予報は!」突然の豪雨でも、水に強い静止期のハダニなら大丈夫 静止期の雌を交尾前ガードするナミハダニ雄成虫(左下)。周囲には他の雌も(中央、右下)。「こんなに大勢のハダニと一緒にいるのにたった一人を独占したくなるのは何でなんだろうな」 ハダニの骸から成長した菌糸は、 やがて葉全体を覆い尽くします。「そうか。腐海に飲まれたか」(くだらないこと言ってないで早く葉を交換して下さい) ヤブガラシに寄生するワタアブラムシ「ピッピカチュウ!」(似てないって?) 粘着トラップで実験室に湧くハエ退治「見ろ。ハエがごみのようだ」 「先生今日も水撒きですか?」「俺はここで水を撒くことしかできない。だが君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ」