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【特別セミナー】Panos Milonas博士

天敵寄生蜂の採集に日本訪問中のギリシャ・Benaki Phytopathological Institute所長のPanos Milonas博士に、セミナーで研究紹介をしていただきました。

セミナーのタイトルは「Plant volatiles and their role in pest management: from early detection to biological control」です。植食者誘導性植物揮発性物質(HIPV)などの匂い物質を利用して、害虫の早期検出や防除に活かそうという試みについての興味深い内容を紹介していただきました。


Milonas博士の来日経緯です。

ギリシャを含むヨーロッパの地中海地域に、ミカントゲコナジラミ Aleurocanthus spiniferus が侵入し、カンキツに解明的な打撃を与えています。ミカントゲコナジラミは日本でもかつて猛威を振るっていましたが、現在では天敵寄生蜂の働きもあり、そもそも虫を見つけるのも難しい状態になっています。

そこで、ミカントゲコナジラミの近縁種であるチャトゲコナジラミ Aleurocanthus camelliae の寄生蜂を採集し、ギリシャに導入しようという計画です。チャトゲコナジラミも、日本に侵入当初は猛威を振るっていましたが、今は土着寄生蜂で落ち着いています。

当研究室でJSPS特別研究員として受け入れているEko Andrianto博士の専門はチャトゲコナジラミでしたので、その論文を読んでコンタクトを取ってこられました。今回も、静岡や京都のチャ園での採集に協力しました。

Milonas博士の講演の様子
Milonas博士の講演の様子
後列左がPanos Milonas博士、右がDimitrios P. Papachristos博士
後列左がPanos Milonas博士、右がDimitrios P. Papachristos博士