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【論文】コナガのジアミド剤抵抗性の起原と拡散について

日本の前職での共同研究の成果論文がアクセプトされ、下記で公開されました。筆頭著者は現・農研機構東北農業研究センターの上杉さんです。

Uesugi R, Jouraku A, Pattalung SS na, Hinomoto N, Kuwazaki S, Kanamori H, Katayose Y, Sonoda S. Origin, selection, and spread of diamide insecticide resistance allele in field populations of diamondback moth in East and Southeast Asia. Pest Management Science (in press) https://doi.org/10.1002/ps.6020

コナガは世界的に重要な農業害虫ですが、各種殺虫剤に対して抵抗性を発達させているため防除に苦慮しています。ジアミド剤は切り札的な薬剤でしたが、これへの抵抗性も見つかり、またたく間に日本中に広がりました。本研究では、抵抗性変異サイト周辺領域とミトコンドリアCOI遺伝子の塩基配列を用いた系統地理学的解析によって、抵抗性の起原が複数あること、冬期に抵抗性遺伝子頻度が減少すること、コナガ非越冬地域では抵抗性遺伝子頻度が低いことが示されました。これらの情報を用いた適切な抵抗性管理が期待されます。